販売担当者との上手なコミュニケーション術

住宅を購入するときは、物件を販売する会社、もしくは仲介会社の販売担当者の話を聞きながら検討、判断をしていきます。自分が納得して家を購入できるかどうかは、販売担当者とうまくコミュニケーションを取れるかで変わってくると言うほど重要なことです。
では、販売側の担当者とはどのようにコミュニケーションを取り、どんな情報をもらえるようにすればいいのでしょうか。
販売担当者とは人と人との付き合い
住宅を購入した人の感想で、「営業の○○さんがよくしてくれたので、物件を買う気になった」という声を聞くことがあります。家はとても高額であり、それゆえ家の購入は一生の中で結婚、出産、進学、就職に並ぶ大きなイベントと言えるでしょう。それだけに大きな不安が伴うものです。そこで販売担当者のサポートが、安心・納得の住まい購入に大きな役割を担うのです。
例えば、予算ギリギリなのでどうすればいいか迷っている場合、その気持ちをしっかり伝えれば、販売担当者が近い条件で予算内の他の物件を提案してくれたり、住宅ローンを含む資金繰りの手だてを考えてくれたり、あるいは値引き交渉の仲介に入ってくれることもあるかもしれません。また、良さそうに思えて内覧をしたが、実際にはよくなかったというときも、なぜいいと思えなかったのかを具体的にきちんと話せば、たとえ条件が変わったとしても、より希望に沿った物件を紹介してくれるはずです。
良い担当者に会えるかで、住宅購入に対する満足度は大きく左右されると言えますが、依頼する側も希望条件など、考えていることを情報として提供し、真剣さを伝えるとともに、担当者がサポートしやすくすることが必要です。
販売担当者には、販売する立場によって二つの種類があります。一つは、「仲介」により取引を成立させる仲介会社の販売担当者。もう一つは、物件の「売主」である会社やそのグループ会社などで、販売代理を行う会社の販売担当者です。
仲介会社の担当者は複数の仲介物件を扱っているので、1件目の内覧で気に入らなければ、さらに具体的な条件を聞いたり、反対に条件を絞り込んだりして、できる限り要望に合う物件を紹介してくれます。
販売(代理)会社の担当者は、自社もしくはグループ会社などの物件を直接売る立場なので、取り扱っている物件についてとても詳しいと言えます。マンションや分譲地の場合は、全体の住戸の販売状況を把握していますし、状況によっては、価格面や条件面の相談に応じてくれることもあります。必要以上に身構えたり、向こうは売りたいだけだろうなどとドライに考えたりするのではなく、人と人との付き合いとして丁寧なコミュニケーションを取ることで、満足のいく住宅購入に近づけるということを意識するといいと思います。
わからないことは何でも聞く
不動産会社の販売担当者は、住宅の購入者にとって非常に心強い味方です。物件そのものの情報以外に、購入に必要なさまざまな知識を持ってサポートしてくれます。
例えば住宅ローンの融資を受けるときには、不動産会社が間に立つことで融資が受けやすいことがあります。融資条件が厳しい人でも、条件面での交渉や調整に動いてくれた結果、融資を受けられたということもあります。また、住宅ローン控除などの節税ポイント、自治体における補助金制度などの費用負担を軽減できる方法を教えてくれるとか、物件があるエリアに詳しい仲介会社の担当者は、暮らしに役立つ周辺環境の情報を細かく教えてくれることもあるでしょう。
ですから、購入を考える中で、よく分からない点があれば担当者に納得いくまで聞きましょう。物件のことだけではなく、さまざまな面でアドバイスや提案をしてくれます。数多くの物件を販売してきた担当者は、それだけ多くの人の悩みを解決した実績を持っています。購入初心者にとって、これほど心強い味方はいないでしょう。相手はプロなので、遠慮なく頼ってもいいのです。
アンケートなどの情報提供は正直に
物件の現地見学やモデルルーム見学後では、アンケートを求められることがあります。ここでは年収や勤務先などプライバシーに関わることを質問されます。見学の段階でこんなことまでおしえる必要があるのかと思う人もいるかもしれません。しかし、収入や勤務先は住宅ローン融資の可否の判断材料になります。ここでプライバシーに関することを書きたくない、と突っぱねてしまうと、不動産会社の担当者はどのような物件を紹介していいかわからなくなってしまいますし、この人はまだ真剣に購入を考えていないと思われる可能性もあります。また、不正確な情報、例えば実際の年収より多めや少なめに書いたりすると、後の住宅ローン融資の申請の際に確認に時間がかかったり、何より大きな買い物ゆえ信用が薄くなり、いいことはありません。
不動産会社としては、顧客の情報を集めたいのではなく、その人が確実に購入できる住宅を紹介するために、できるだけ詳細な情報を必要としているのです。誠実に答えることで、それが自分のためになって返ってくると考えましょう。
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